ご挨拶
財団法人日本化学研究会は大正15年に東北帝国大学教授の眞島利行先生(1874-1962)によって、わが国で最初の化学関係の文献情報を収録した「日本化学総覧」の発行を主目的として発足しました。以来、90年以上に及ぶ歴史をもちますが、平成25年8月からは、新公益法人制度の施行に伴い、「公益財団法人日本化学研究会」として認定を受け、再スタートしました。
本財団は、発足当時から国内の化学関係文献の抄録誌として「日本化学総覧」を創刊し、刊行してきましたが、昭和30年代後半から抄録すべき化学文献が急速に増加し、一法人では事業を継続することが困難となったため、日本科学技術情報センター(現、科学技術振興機構)に業務を移行しました。
その後本会は昭和52年に、「わが国における化学研究の連絡を図り、あわせて、その進歩発達を助成する」ことに目的を変更し、爾来わが国の化学研究者に対し500件以上、総額2億円以上の研究助成を行ってきました。助成事業(化学研究連絡助成金)は、(1)化学研究に対する助成、(2)化学情報の流通に関する研究及び事業に対する助成、および(3)化学研究及び化学情報に関する国際研究集会への出席に対する助成、の三つから成ります。
平成25年に公益財団法人に移行後は、全ての助成事業を東北六県および新潟県において行うことを明確にし、さらに助成事業の中でも(1)化学研究に対する助成をより強化することにより、事業の一層の充実を図ろうとしています。意欲ある研究者、特に若手の方々からの積極的なご応募を期待しています。
理事長 飛田 博実